4.3 感電の基礎知識
電気を熱源として用いるアーク溶接作業は,感電という事故に遭遇する危険をはらんでいます。一旦,事故が起ると死に至る危険性さえあります。
感電は,充電部への接触によって電流が人体を流れることによって起きます。したがって,外部から人体を通じて電流が流れなければ,感電することはありません。
4.3.1 直流,交流
私たちの身近にある電気といえば,壁のコンセント(100,または200V)と乾電池があります。同じ電気でも,この二つは根本的に違っています。
壁のコンセントは交流であり,電池は直流なのです。電気の種類を大きく分ければこの2種類になります。
直流(DC)とは,乾電池・自動車のバッテリーのように電圧は常に一定です(消耗していなければ)。乾電池は1.5V,自動車のバッテリーは普通は12Vです。いつも一定の強さで,図4-3のように電圧は常に一定です。
これに対して交流は,左の図4-4のように時間に対して一定の周期で電圧が変動します。
家庭用交流電源の場合の交流周波数は,静岡県浜松市より西では60Hz,東では50Hzです。
注):Hz(ヘルツ)と言うのは周波数の単位で,1秒間の変動回数を指します。図4-4の変化が1秒間でおこったなら,この周波数は1Hzです。

図4-3 直流の電流波形 |
図4-4 交流の電流波形 |
交流は,時間とともに電圧が図のようにプラス側とマイナス側に行ったり来たりします。しかも,時間とともに変化するので,一瞬たりとも決まった電圧ではありません。でも家庭の電圧は100Vと云っています。これは,交流電圧がある決めごとによって表されるためです。即ち,“交流電圧は,実効値で表現する。”ことになっています。
交流の実効値は,次式によって求められます。
交流の実行値=交流の最大値/√2≒交流の最大値×0.7
そのため,交流100Vといわれている際の最大電圧は,141Vとなります。したがって,直流と交流では,同じ100Vといっても交流の方が,直流に比べて感電(電撃)の危険性が高いのです。







