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2012 国際ウエルディングショー

67,000人来場、溶接界の新潮流に注目

 

ウエルディングショーならではの迫力満点の実演

 

溶接材料関係はニーズの多様化や高品質・高精度化に応えるため、ターゲットを絞る動きが目立った。

神戸製鋼所は今秋発売予定の新シングル高溶着溶接法「大電流MAGプロセス」をはじめ、高電流と低スパッタ・低ヒュームの炭酸ガスアーク溶接法「REGARC」、純アルゴンシールドガスと専用フラックス入りワイヤ、汎用のパルス溶接機を組み合わせる「MX・MIG」プロセス、ダイヘンとの共同開発による革新的亜鉛めっき鋼板溶接プロセスを実演で紹介した。日鐵住金溶接工業は原油タンカー底板用・高耐食性鋼板用シームレスフラックス入りワイヤや、ダブルシールドにより亜鉛蒸気の付着を防ぎ安定した溶接を可能にする亜鉛めっき鋼板用プラズマ溶接機などを出展した。

ナイスは、神戸製鋼所との共同開発による鉄鋼とアルミ合金の異材溶接用フラックス入りワイヤを発表。日本ウエルディング・ロッドは、中厚板ステンレス鋼の大電流溶接向けフラックス入りワイヤを積極的にアピール、大同特殊鋼は自動車排気系部品をターゲットに開発した高耐食ステンレス鋼ソリッドワイヤを出展、タセトは二相ステンレスやニッケル基合金などの特殊鋼向けをピーアールした。

一方、溶接機・加工機関係で目立ったのは、「低価格」や「低ランニングコスト」をキーワードにした新製品である。ただ、「コスト重視」と言っても技術開発で新興国の猛追を受ける中、これまで築いてきたブランドイメージを損なうわけにはいかない。

溶接機に関しては、2000年初頭からメーカー各社が開発を競った「デジタル化」技術が定着し、本格的な普及時代へと突入したことが如実に現れていた。デジタル溶接機単体ではなく、その特性を生かしながらシールドガスや溶接材料とのマッチングにより、様々な難しい溶接をソリューションするトータル的な溶接プロセスを紹介する出展企業が多かった。

安川電機とファナック(電源はリンカーン製)は、炭酸ガスだけで低スパッタを実現したアーク溶接技術を発表、これによりランニングコストを大幅に削減できることをアピールした。また、韓国溶接機メーカーのテウォンジャパンや暁星は日本仕様に改良しサービス態勢も整えている点を強調した。

抵抗溶接機分野でも、レーザ同等の高速性を実現したシーム溶接機(不二越/ART-HIKARI)や条件設定を自動化した上で2ガン化(愛知産業)するなど、高効率化によるコストダウンをアピールしていた。

ナ・デックスは比較的安価な手動型溶接ガンを出展したが、これは「アジア向け戦略商品」とのこと。低価格戦略は必ずしも国内景気に対応したものではなく、グローバル戦略の一環でもあるようだ。ただ、日系工場などはアジアの製造現場においても日本同等の高品質が求められることから、「安いだけの製品」では受け入れられず、しっかりした性能が求められるそうだ。

この傾向はレーザなどの先端分野も同様で、今回会場で高い注目を集めた中厚板向けレーザ切断機(小池酸素工業、日酸TANAKA)をみても、その導入メリットの一つはランニングコストの低減にある。また、トルンプやアマダも中小の板金加工業者向けに、ロボットと手動(ハンディ型)の兼用可能なフレキシブル性の高さを実演で示した。

大陽日酸/サーンテック、岩谷産業、日本エア・リキード/エア・リキード工業ガス、高圧ガス工業などの高圧ガスメーカー各社も、亜鉛めっき鋼板やステンレス鋼のプラズマ溶接などターゲットを絞り、より高品質な溶接を実現したことをアピールした。

テーマ展示では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が「クリーンMIG溶接技術」についてロボットを用いた実演や、開発した溶接技術を実構造物に適用した「橋梁向け大型模擬構造体(モックアップ)」を展示するほか、「レーザ・アークハイブリッド溶接技術」、「水素脆化」など19テーマの成果及び試作物を展示した。


(WE-COM会員のみ)