4.2 バンドパスフィルターの選択方法
アーク溶接時の溶融池の動きを観察するためには、アーク光の強い輝線の無い波長を選ぶ必要がある。図4にステンレス鋼SUS304のアルゴンTIG溶接時の分光計測結果の一例を示す。780nm近辺、870〜900nm、930〜960nmおよび980nm付近以上で高いピークが無いことがわかる。なお、図中の高いピークの輝線は、ほとんどがアルゴンガス由来である10)。

図4 TIGアーク溶接時の分光計測結果の一例.縦軸は標準光源で補正された相対強度である.なお、可視光の二次光は、可視光カットフィルターにて除去している.
動画1は、アルゴンTIG溶接時に、バンドパスフィルターを透過して得られた各波長における溶融池周りの画像である。撮影は、米国CRI社製VariSpec液晶チューナブルフィルターをビデオカメラの前に装着して波長650nmから1100nmまでを、約0.5秒おきに5nmステップ毎スキャンしながら行っている。図4で示した分光時に強い輝線が出る波長において、画像を見ると、電極直下がアークにより白く映っており、溶融池全体の形を見ることができない。一方、輝線が無い波長の画像においては、電極先端部形状および溶融池形状を明瞭に確認することができる。
動画1:アルゴン−TIGアーク溶接時の電極と溶融池周りの動画.約0.5s毎に10nmずつ観察波長をスキャン.








