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アーク溶接のビデオカメラによる可視化の勘どころ
−民生用ビデオカメラから高速度ビデオカメラまで−

4.4 半導体レーザ(LD)を照明に用いる場合のビデオ撮影手順

LD照明は、非常に効果的であるが、その反面、LD波長帯阻止用保護メガネの着用、周囲作業者への声かけ等、十分注意して使用しないと危険である。そこで、参考までに筆者らが、観察実験時に行っている手順を以下に示す。

1. 可視光下で、おおまかに画角とフォーカスを調整する。このとき、レンズの絞りは開放にして、なるべく被写界深度を浅くしておく。ビデオカメラの設定は、ローライト(スローシャッター)モードにしておく。

2. 観察用フィルターを装着、LDを最弱設定で点灯し、徐々に出力をあげていくと像が映り始める。(この段階以降では、LD用保護メガネ装着が必須であり、周囲への声かけ等安全配慮が必要である。)

3. 画角とフォーカスを再調整する。なお、可視光とLDの近赤外光では、色収差によりフォーカス位置が異なる。また、フィルターと保護ガラスの厚み分フォーカス位置が異なる。

4. 本番用にLD出力を上げ、絞り・シャッター速度を最終調整する。

5. 溶接ならびに撮影スタート。LD用保護メガネをかけたまま、更に遮光面でアークの有害光線から目を保護する。最近の自動遮光溶接面を利用すれば、両手が自由に使えるのでカメラ操作がやりやすい。

6. 溶接終了時、LDを切り、周囲へその旨周知する。

5. A-TIG溶接現象に関するビデオ観察

5.1 TIG/A-TIGアーク溶接挙動のLD照明を用いた高速度カメラ撮影

上記の知見を元に、安全に配慮しながらLD照明を用いて、実際にTIGアーク溶接現象の高速度カメラ撮影を行った結果を紹介する。

図7に示すように、ステンレス鋼SUS304において、溶接電流150A、溶接速度1.5mm/sの条件で、メルトラン溶接を行った。特に、A-TIGフラックスが溶融挙動に与える影響を調べるために、前半部のフラックス無しの清浄面から、後半部のA-TIGフラックスを塗布した面まで連続的に溶接を行った。前半部では、幅広で浅い溶込みの溶接部が得られた。一方、フラックスを塗布した後半では、幅が狭く深い溶込みの溶接部が得られた11)

図7 TIG溶接メルトラン実験結果の一例.板の後半部には、A-TIGフラックスを塗布して、フラックス無し・有り時の溶込み形状を比較している.フラックスを塗布すると、幅が狭く深い溶込みの溶接部が得られる.


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