図8には、その溶接中に撮影されたビデオ動画から一部抜粋したフレーム画像を示す。溶接中は、カラーカメラにより、主にアークの挙動を、白黒カメラでは、LDで照明を行いつつ溶融池の挙動を撮影した。カラー撮影では、アークの色や挙動に関して良く判るが、アーク直下に形成されている溶融池の挙動は、アークが明るいためにほとんど見ることができない。一方、半導体レーザを照明に用いて、その特定波長の光だけを干渉フィルターを通して高速度ビデオに取り込んだ映像では、アークは、ほぼ消え去り、溶融池とその周辺部が明瞭に観察できる。

図8 TIG溶接実験時(図9)に高速度カメラ撮影されたカラーと白黒の動画から抜粋されたフレーム画像.カラーカメラは、アークの観察に適しており、近赤外LD照明と共に行う白黒カメラの観察は、溶融池の観察に適している.この場合、溶融池形状の変化に着目しているために録画速度は100コマ/sと速くない.
この時の映像を動画3で確認いただきたい。動画のちょうど中盤ぐらいに、母材表面に塗布したA-TIGフラックスが沸き立つように観察される部分が見えてくるが、その辺りからA-TIGフラックスが塗布された領域になっている。溶融池の形は、フラックスが無い場合、比較的丸いが、フラックスが塗布された部分では、ティアドロップ状に幅が狭く縦長になっていた。溶融池の変化は、毎秒30コマ程度でも捕捉可能であったが、溶融池表面上のスラグなどの速度マーカーの動きの捕捉には毎秒1000コマ以上の高速度撮影が望ましいこともわかった。
動画3:近赤外LD照明と共に行った白黒高速度ビデオカメラの動画.








