電離プラズマMIG溶接では、同軸複層ワイヤではなく、一般のソリッドワイヤが使用できる。一般ワイヤを用いた電離プラズマMIG溶接時の状況を図13に示している。トーチ内から、ワイヤ直下の明るいミグアークの周囲に、希薄なプラズマが発生している様子が見られる。明らかに溶融液柱の不安定な変動は抑制されてアーク長の変動も少なく、アークが安定になっていることがわかって頂けよう。このときのビード外観と溶込みを図14に示すが、欠陥のない安定なビードが形成されていることがわかる。因みに溶接金属の含有酸素量は24ppmであった。
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図13 電離プラズマMIG溶接におけるアーク安定性(動画あり)

プラズマ電極のノズル径:3mm、プラズマ電流:50A
アーク電流:200A、溶接速度:50cm/min
図14 電離プラズマMIG溶接での溶け込みとビード外観
以上、異なる考え方からクリーンMIGでの鋼材の安定溶接法を開発できた。しかし、これらの溶接法には、特徴や制約があるので、表2にまとめて示す。必要設備や溶接ワイヤは、既に本文で述べた。適用電流は、同軸複層ワイヤ法の場合、1.2mm〜1.6mm径以上で効果的となるため、概ね300A以上の大電流が推奨される。一方電離プラズマ法の場合、プラズマ電流容量に制約があるため、ミグアークの溶融液柱の安定化を可能とする液柱を流れる電流が抑制され、概ね300A以下が推奨される。また適用鋼材の板厚については、片面溶接を想定すると、同軸複層ワイヤ法では一般のミグ/マグ溶接トーチが適用できるので、従来と同様板厚の制限はないが、電離プラズマ法ではトーチ寸法が一般トーチ径の2倍程度となるため、開先内に侵入させることができない。そのため板厚15mmがほぼ限界となる。ただ両面溶接であれば板厚25mmも当然可能である。
表2 開発したクリーンMIG溶接法の適用性について










