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鋼材のための新開発クリーンMIGアーク溶接技術
およびその溶接技術の検証

3. 新ミグ溶接法の実用性の検証

3.1 安定性強化のための制御技術開発

ミグ溶接におけるアーク不安定の第1要因は溶融液柱にあることを示してきたが、実施工においては、更なる安定化制御を追加した。ミグ溶接では、陰極点の激しい挙動もあり、アーク長が不規則に変化し電流変動の原因となる。すなわち従来の消耗電極式溶接で使用されている定電圧特性電源では、アーク長の変動によるアーク電圧のわずかな変化により、電流が大きく変動する。

そこで、同軸複層ワイヤ法では、電流の変動を抑えるために、図15に示すような一部定電流特性を有する電源を開発した。さらに、この特性において、同軸複層ワイヤでの溶滴移行(ワイヤ先端で溶融した金属を溶滴として切り離して母材側へ移行する)をスムーズにするための適正なパルス電流制御を付加した。図16に、パルス波形と溶滴移行状況をした。これにより、純アルゴンシールドガス中でもアーク長に依存しないで目標の電流値に一定に保ち、一層の安定溶接を可能にした10)

図15 定電流特性電源によるパルス波形制御(同軸複層ワイヤ法) 

図16 パルス波形制御による溶滴移行の安定化(同軸複層ワイヤ法)

一方、電離プラズマMIG溶接法においても、更なる安定化策を実施した。図17のようにプラズマ電流をパルス化することにより、直流プラズマ電流の場合と比較して、パルスピークの大電流でピンチ力を増大し、溶融液柱の揺動の抑制、溶滴移行の安定化が強化された。図5の状況と比較しながら、図18に示すV開先内でのアークと溶滴移行の状況を見て頂きたい。また、アーク電流もプラズマ電流と協調してパルス化する(協調制御)ことで、発生しやすかったピットやブローホールなどの欠陥を抑止した安定した溶接が可能になった10)

図17 電離プラズマMIG溶接における電流協調制御

図18 V開先内の電離パルスプラズマMIGアーク(動画あり)


(WE-COM会員のみ)